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2008年6月10日 (火)

Quanta v. LGE---特許権消尽の範囲はどこまで - 産業動向オブザーバ - Tech-On!

リンク: 前川が斬る(3)Quanta v. LGE---特許権消尽の範囲はどこまで - 産業動向オブザーバ - Tech-On!.

(6月27日加筆: 消尽を強化したQuanta最判と今後のライセンス契約 を書きました。)

リンク先で紹介されているケース、最判が出たのですね。先ほどM先生にその旨を教わり、現在、判決文を読んでいます。

最判の結論は、消尽あり、となったわけですが、でも、ライセンス契約のドラフトを特許権者が工夫すれば、権利主張の可能性もあるかのような話と説明している文章も見ました。そう言われれば、そうかも知れません。

でも、この事案自体、ライセンス契約としては、結構、限定的なライセンスをしているもので、それでも消尽だとした判決なのですね。そうしてみると、権利主張を受ける側としては(日本企業は多くそうだと思います)、相当に有り難い判決のように見えます。

もっとも、このケースで権利主張をしているのは米国企業ではなくて、韓国のLGなのですね。レメルソン財団とかではなくて。LGがとても順応性が高いのか、それとも、このケースの被告は台湾企業なので、そちら相手なら相対的に上手く立ち回れると踏んだのか。……などと考えるのはうがちすぎですかね?

(6月10日の夜に加筆: 最判について検索すると、たとえばこのブログでは、この最判の重要点は、方法特許でも消尽の可能性があること、発明の全要件を備えていない物でも売ると消尽の可能性があること、の2点だとまとめながら、ライセンス契約のドラフトでの対処の余地があることを指摘しています。その対処の方こそ重要と言っているようにも見えます。確かにそうもいえるのでしょうが、でもどうも、職業的な立場でこう言っているように見えてなりません。

思い出されるのは、均等侵害を制限するWJ-HD最判について、均等論が生き残ったとのコメントが米国の法律事務所のページでは目立っていたことです。ここのコメントで書いたように。どうもそれと似た構図で、ドラフトの工夫でなんとかなるから、相談してくださいな、と言っている宣伝のように見えます。実際には、それで対処できる可能性(特許権者にとって好都合に出来る可能性)はかなり限られるのではないでしょうか。)

(同日夜、さらに加筆: 日本語でのコメント既にお書きの方を見付けました。こちら。ちょっと疑問を感じたのは、インテルによる、インテルのチップ以外と組み合わせることを前提とする顧客への販売が、ライセンス契約違反であるかのようにお書きの点です。そうではなくて、そこはライセンスされているわけではない、というだけのように思います。確かに、契約違反の可能性があるように書いてはありますが、実際にそうなるという話ではないように思うのですが。

ご指摘のn.7は次の通りです:

「7 We note that the authorized nature of the sale to Quanta does not necessarily limit LGE’s other contract rights. LGE’s complaint does not include a breach-of-contract claim, and we express no opinion on whether contract damages might be available even though exhaustion operates to eliminate patent damages. See Keeler v. Standard Folding Bed Co., 157 U. S. 659, 666 (1895) (“Whether a patentee may protect himself and his assignees by special contracts brought home to the purchasers is not a question before us, and upon which we express no opinion. It is, however, obvious that such a question would arise as a question of contract, and not as one under the inherent meaning and effect of the patent laws”).」

この言い方だと、question of contract だというのですから、契約のドラフトの問題だと言っているようにも読めます。でも。実際問題として、インテルが売って良いという契約である限り消尽するのですから、インテルが受け入れる契約条件としては結局消尽するようなものしかあり得ないように思います。消尽しないような条項は、机上の空論としては確かにあり得るでしょうが、インテルとして自身の行動その物を適法化しないわけで、そんなのでは何のために契約するのか分かりません。)

(もう一つ加筆: このwsjのブログだと、最高裁がCAFCが硬直しているとしてCAFC判決を破棄した一連のケースの一つ、とのこと。そう言われれば確かにそうです。KSRしかり、eBayしかり、その様にまとめることが出来そうです。)

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